モダン抹茶碗セット
新しい概念を持つ抹茶碗の製作に挑む
私たちは、どこでも見かけるような手軽なスティックタイプの抹茶と何を飲むにも使っている万能マグカップではなく、敢えて時間をかけ手間のかかる抹茶を味わうための「モダンな茶道具」を開発することにしました。
抹茶碗と言えば代表的なものは陶器ですがすでにこの世に数多くあります。
現在では百均のような大量生産されたものから著名な作家による一点ものまで幅広くあります。数々の戦乱をくぐり抜けた歴史的なものであれば、文化的価値から現代アート市場では一つ数千万円から数億円の価値がついています。現存する最高価格といわれている抹茶碗(国宝)で数十億円と言われています。昔の人は抹茶碗(物)を茶の哲学ととも大事にしてきたことで、800年もの間、割れることなく残っているのは奇跡としか言いようがありませんが、それほど抹茶に対する哲学や精神は「抹茶碗という物質」自体の価値をも高めてきたといえます。
なぜ私たちは「大理石」というこれまで茶碗には使われてこない素材で「新しい器」の開発に着手したのか。それは、茶道を大成させた千利休もそれまでになかったデザインや素材を積極的に当時の茶道に取り込んだというそのイノベーティブな精神に我々が触発されたのかもしれません。単なる変わったデザインということではなく、より効率的に、より短時間に過ごすことに慣れてしまった現代において、低価格が進み、代替する物が溢れ、ゆえに物を大事にすることをついつい忘れてしまう自分たちへの戒めとして製作しようとしたのかもしれません。
「現在」を起点に「100年後もあなたの子孫が使えうるものを作ってみてはどうか」と思ったからかもしれません。ダイヤモンドリングが子どもに受け継がれ世代を紡いでいくように茶器も子どもに受け継いでもらえるものをと思えたからかもしれません。多くの茶碗は陶磁器で作られています。とても脆いのが特徴です。となれば世代を超えて物を残す場合に最大の障害は「保存性や耐久性」となります。木箱に大事にしまっているようでは使う機会は減りますし、いくら大事に扱っても使っていくうちに自然と割れたり欠けたりものです。 もちろんそれを修復する伝統技術(金継ぎ)やそうした儚さを善しとする価値観は日本には古くから存在しますが、いずれにせよ100年間形を保ち 続けることは決して容易ではないでしょう。我々は耐久性に優れた「大理石」を敢えて選ぶことにしました。耐久性や保存性に関しても強度に優れ破損しにくく、また適度な重量にすることで「ものを大事に取り扱おうとする姿勢」から貴方にとって大切に 扱わなければならない茶碗であることを体感出来ると思います。
重さはときに人々にとって高級感を与え、さらに大事なものとして扱おうという潜在的な意識を植え付けてくれます。自然と両手を添える必要のある重さであれば、人間の美しい所作を敢えて説明を交わすことなく自然と生み出し、茶と向き合うことでさらに高い次元での精神的な向き合いを整えてくれると思います。
二層に分割可能な新しいタイプの抹茶碗
上下2層の素材構造にするというこれまでの茶碗の固定観念を崩していく点にもこだわりました。
茶道には「侘び・寂び」という無常であることを美しいと感じる美意識があります。今回、抹茶碗を脱着可能な2層にすることで「結合と分離」という概念を通じ自然や万物を紐解くという感性的意味を持たせています。上部の素材はお茶の美味しさや熱伝導などの機能性を追求し、琺瑯(ホーロー)を採用。釉薬を施した繊細な艶が特徴です。ガラスと鉄による「結合」の象徴である「琺瑯(ホーロー)」を簡単に脱着可能にすることで手入れしやすくするとともに茶器としての耐久性を高めることとしました。下部の素材は第1弾としてこれまで茶碗に使われて来なかった素材で、なおかつ、日本に限らず世界での現代的な生活様式に溶け込みやすい大理石 (白・黒)を採用しました。 大理石の掘削・研磨は職人がすべて手作業で行い、硬質な石に繊細な加工を施すことで美しい造形として生まれ変わらせています。大理石は元々西欧に根付く石文化や現代的な生活様式に溶け込むデザインであり、天然石であることから表面は自然が生み出した模様で貴方だけが持つ世界で一つだけの抹茶碗に仕立ててくれます。
お茶の世界には「一期一会」といった「偶発性」を表す禅語がありますが、これに通ずるところがあります。茶器の柄は伝統的には絵付けという綺麗な模様を職人の手によって付け加えますが、天然石であれば全て自然が作り出した模様があり、むしろ同じ 模様が一つとして存在しないという「偶発性」を成すものであり、自然が生み出す描写を茶における美意識として受け入れたいと思っています。
ボトリングティ
専用グラスセット
今回は、併せて、ボトリングティのために特別に製作した専用グラスも用意いたしました。
祇園辻利の日本茶(煎茶・ローズほうじ茶)をボトリングティにしました。製造はボトリングティのパイオニアである静岡の”ベネフィッティ”
になります。モダン煎茶道とも言えるボトリングティは、良く知るペットボトルのお茶とは一線を画しており、まるで高級なワインのよう。ノンアルコールですのでどなたに対してもお楽しみ頂けます。
大切な人へのもてなしやギフトとしても最適だと思います。
抹茶
抹茶の可能性は広がるばかり。
今ではスイーツとして身近な存在である「抹茶」とはそもそもどういったものなのでしょう。約800年前(鎌倉時代)は身体に良い薬として飲まれていた抹茶は緑茶の茶葉をすりつぶして粉末状にしたものでそれを少量のお湯で溶かして味わいます。たったそれだけの行為をゆっくり時間をかけ丁寧に行うことで自身と向き合う時間を作り出します。言い換えれば精神的な豊かさを感じることを目的としているのが「抹茶」です。これまで織田信長、豊臣秀吉、徳川家康をはじめとした数々の将軍やときの政権に仏教(禅)とともに尊ばられ、また、抹茶を引き立てる数々の名 茶器は、この世で最も高いものとして当時から重宝され、今なお日本の歴史や文化を語る上で欠かせない存在となっています。
一方で現代科学で認められている日本茶の主な効果もたくさんあります。リラクゼーション・認知症予防・抗菌/抗ウィルス・ダイエット・アンチエイジング・虫歯予防 などがよく挙げられています。まさにスーパーフード(ドリンク)であり、だからこそ現代においても健康的価値の高さから世界中で多くの方に愛されているわけです。ただし、健康的価値ばかりに目がいきがちで海外においてはこうした健康効果が先行し本来の自己との関係性や時間との向き合いがもたらす抹茶の本質はあまり語られていない現状があります。
では、なぜ敢えてじっくり時間をかけ手間のかかるやり方(作法や茶道)で先人たちは抹茶を味わってきたのでしょうか。
当時はマグカップがないとはいえ、簡単に飲むことはいくらでも出来たはずです。それは、ただ抹茶を飲むことだけに意味を見いだしたのではなく、むしろ「準備を含め一連の時間の経過にこそ意味がある」と考えてきたからでしょう。手間をかけることによって抹茶と向き合う「時間」を意図して作り出し、それが日常の中のゆとりとなり、自身の生活をさらに豊かなものとすると考えられてきたからにほかなりません。
BENEFITS OF MATCHA
現代科学で認められている日本茶の主な効果は
たくさんあります:
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美肌効果
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抗菌/抗ウィルス
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リラクゼーション
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認知症予防
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アンチエイジング
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ダイエット
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虫歯予防
これらの効果もあり、日本茶は800年経った現代においても健康的価値の高さから世界中で多くの方に愛されているわけです。